【帯刀課】

 

梶タクミ

2019年11月30日

名前:梶 功(かじ たくみ)
年齢:29歳
性別:男
身長:179cm
職種:情報分析班

懺悔残響04

2019年11月29日

残念でないと言えば、嘘になる。
同年代で、身内も恋人も固定バディもいない捜査官。
その中でもまぁ仕事の出来る方で柳徹を当て込んでいたのだが、アテは外れた。
(なかなか居てへんのよね。死んでも誰も文句つけひん人材て)

懺悔残響03

2019年11月28日

部屋に入ると、宗くすみがこちらを見ていた。
銀の目、銀の髪、赤い唇。
何一つ変わらぬまま、またどこか女らしくなったと思った。
性別について、彼は特段何も語らない。女だと周囲に思わせておいて、自分からは何も否定しない。一晩口説いてホテルに連れ込まなければ、多分自分も知らなかっただろう。
結果見解の相違で何も起きずに帰宅したが、宗くすみの歪みのようなものをまざまざと見たのは確かだ。
「久しぶりやんなぁ」
くすみは薄く目を細めた。
「まぁ座りよし。茶ァも何もあらひんけど」
「気遣いなんて出来たんだな」
「やぁね。ウチのことそないに思うてるん? いけず」
くすみは口元に手を添えてクスクス笑う。
基本的に人の話を聞かない男だ。自分の得意の口上は、ほとんど意味がない。
...

懺悔残響02

2019年11月27日

出勤した柳徹は、ウェブカレンダーを開き、眉根を寄せた。
午後1時、覚えのないミーティングが入っている。
(なんだこれ)
予定の招待者を確認する。
表示されたのは、宗くすみの名前だった。
拒否しようにも、すでに予定がブロックされている。
柳は息を吐き、椅子にもたれた。
(やっぱり、見間違いじゃなかったか)
昨日、各部署の挨拶回りをしている姿を遠目に見かけていた。てっきり一日程度の出張かと思っていたが、念のためくすみの予定表を確認し、また首を傾げることとなる。
くすみの所属は、東京に変更されていた。
(......どうなってる?)
他人の人事にはあまり関心がない。人事(じんじ)とかいて人事(ひとごと)と読む。
しかしさすがに、自分の機微には敏感だ。
...

懺悔残響01

2019年11月27日

「......つまらん男」
そう言って胸を指先で軽く突き飛ばした。
保泉は、途方に暮れたようにくすみを見つめていた。

宗くすみが本部へ出向してから、約二年ほどが経ったある日の、昼下がり。
「今日はよぉ来てくれはったなぁ」
にっこりと会議室で目を細める彼--ないし彼女の前には、三春喜助と柳徹が並んで立っている。
どこか雰囲気の似た、気だるげな二人だった。身の丈はどちらも185近く、覇気のない視線は、ここへ呼び出されたことへの困惑と、くすみの思惑を警戒するように真っすぐに向けられている。

1週間後、くすみに呼び出され会議室へ集合した三春と柳は、簡単に成果を報告した。

「ちょっと思ったんだけどさ、廃墟の中で火ィ焚くのって、法律的にどうなんだろう」

CS:宗くすみ

2019年11月25日

名前:宗 くすみ(そう くすみ)
くすみの名は「鐃」と書くが、ほとんどひらがなで表記している。

柳徹の話 3

2019年11月23日

「柳先輩って、よく口癖で言いますよね」
飲み会で大体の後輩は、こんな話を振ってくる。
「『俺は絶対死なない』って」
「そーだよ」
俺はヘラヘラ笑って見せた。
「だってホントだかんね。俺は絶対死なないし、こんな仕事のために死んでちゃ人生もったいない」
後輩から、笑いが漏れる。
「だからいつも定時なんです?」
「そうそう。こんな仕事のために死んでちゃ人生もったいねぇもん。俺にとって仕事ってのは、金を得るための手段で、人生そのものじゃ無い。むしろ仕事の余白をどう生きるかが、人生だと思ってるからね」
「へぇ」
後輩たちは、わかったような顔で酒を口にする。
「じゃあなんで、この仕事にしたんです?」
「向いてる仕事の中でも、一番稼ぎがいいからだよ」
「はは、柳先輩らしい」
...

柳徹の話 2

2019年11月23日

別に自死願望が人より強いわけでもない。
ただ怪我の治りが早かったのと、昔から運動神経だけはズバ抜けていたから、公務員として勤める中でも帯刀課を選んだんだと思う。
もしこの仕事がなければ、スタントマンでもやっていただろうし、多分その仕事でも悪くはなかった。
誰に命を期待されるでもない、半端者だ。
俺自身、俺の人生になんの期待もしていない。叶えたい夢もなければ、愛されたい人もない。

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